やる気を科学する ~精神力の正体は技術力~

皆さんこんにちは。ついに修士論文を提出しました。(感涙)

ここ半年は学生生活の集大成のつもりで、修論の研究を優先順位の最上位に位置付けて取り組んできたわけだけど(まあ当たり前か)、想像以上に満足のいくフィニッシュが出来ました。(やり切った!!)

 

 

 

特に嬉しかったのは今まで取り組んできたこと(英語・毎朝のランニング・自分の将来について沢山考えたこと、哲学・脳科学など)が、一見関係のない物理学の研究にとても役立ったことだ。特に物理学に対する理解の深さ・タイムマネジメント力・モチベーションのコントロール・プログラミング力は2年前と比べて格段に進歩した。(2年前はこれら全てがダメダメで、大きなコンプレックスを抱いていた。)

 

 

 

 

なんで物理と関係ない英語とかランニングが役に立つねん!って思うかもしれないけど、英語も物理もランニングも料理もプログラミングも芯を貫く本質の部分は共通しているからこういう応用が可能なんだと思う。

 

 

 

ということで今日はこの”物事の本質を考える”っていう切り口で、「モチベーションのコントロール」について最近発見したことを書くぜ!

 

 

 

 

さっき言ったように実は2年前卒業研究に取り組んだときはこの「モチベーションのコントロール」ができず、全然納得できない論文を提出してしまった。具体的には研究が計画より遅れているのにやる気が出なくて一日何も手につかないとか、今日ここまで終らせたいのにやる気が出ず妥協してしまうとか。当時は切羽詰まっている状況にも関わらずやる気が出なくて、「おれの精神力はゴミ以下なんや。。。」とめちゃくちゃ落ち込んだ。

 

 

 

 

とはいえ友達の話を聞くと、こういう経験は結構誰でもしたことがあるようで。例えば期末テストの前なのに漫画を読んでしまうとか、仕事で簿記が必要なのに毎日勉強が続かないとか、仕事のための読書をしたいけど家帰ると疲れて寝てしまうとか。

 

 

 

そして結構多くの人がこの原因を「自分の精神力の弱さ」だと考えている気がする。おれも最近まではそう考えていた。

 

 

 

しかーし、この半年間 「やる気を出すってのはどういうことなのか?」「集中はどうやって作られるのか?」「イチロー本田圭佑のように鋼の精神を持つような人とおれの違いは何なのか?」「そもそも精神力って何?」などモチベーションコントロール本質について考えて、色々自分を使って実験した結果ある結論にたどり着いた!!それは、

 

 

 

「精神力とは体得できる”技術”である!」

 

 

という結論である。どうやってこの結論にたどり着いたかというと、半年間自分のやる気が出なかった時にその時の気分とかどういう理由でやりたくないかとか、どういう環境で勉強すると気が散るかとかどういうスケジューリングだと上手くいかないかなどを、事細かに記録していたのだ。そして逆にうまくやる気が出たときはどういう状態だったかもちゃんと記録していた。(修論研究をうまく進めるために書き出してたわけだけど、気付かぬうちにやる気についての研究もしていたわけだ。)

 

 

 

 

そうするとやる気のあるなしにはあるパターンがあって、やる気の漏れどころさえうまく対処すれば機械的にやる気が湧いてくることが分かった。これは囲碁や将棋の定石(決まった対処の仕方)みたいなものだと思う。色んなやる気漏れのパターンを理解し、それに対処する「技術」を磨いていけば誰でも自在にモチベーションをコントロールできる。

 

 

ということで、これから「精神力」の本質と「やる気漏れ」の具体的な対処法について書いていくぜ。これさえ押さえれば大抵のやる気問題は解決すると思う。

 

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 まず初めに「精神力」とは何かについて定義をしておく。今回の文脈での「精神」の定義は、短期目標を達成するための”モチベーションを維持する力”のことだと思う。(短期目標は大きな目標の中間ステップとして自分で設定したもの。)

 

 

例えば本田圭佑の例でいえば、世界一のサッカー選手になるという大きな目標があって、その中間ステップとして「1試合走り切る体力をつける」という短期目標がある。この短期目標を達成するためのトレーニングでモチベーションを保つ力が「精神力」である。

 

 

また別の例でいえば、会社員が出世したいという大きな目標があったとして、その中間ステップで「簿記1級をとる」という短期目標を設定する。この短期目標を達成するために必要な勉強をし続ける意志力を「精神力」と呼んでいる。

 

 

しかしいざ簿記1級を取ろうと思っても、中々やる気を維持できない。仕事後家で勉強しようとするとすぐ眠くなってしまうし、朝やろうとしても起きられず結局勉強習慣が作れない。土日こそ勉強しようと思って机に座るけど、30分もすると漫画を読み始めてしまう。そして「おれにもっと精神力があれば。。。」と落ち込むのが誰にでもあるパターンだと思う。

 

 

じゃあどうしたらいいか??

それはこの問題の本質さえ押さえればいいと思うのだ。

 

ずばり、やる気維持の本質は、

 

「如何に脳を邪魔な思考から守って、目標達成だけに専念させるか」

 

だと思う。(これを上手くできる人を精神力が強い人という。)

 

  ここでポイントになるのが人間の脳が民主制でできているということなんよ。脳みそは国会みたいなもので常に脳内小人の多数決で自分の取る行動が決まっている。意見がばらばらの時は決断や行動が遅くなるし、逆に脳内小人がみんな同じ意見のときは早く効率的な行動ができる。

 

 

よってこの本質を押さえると、おれらが短期目標を達成するために意識すべきなのは、

 

①行動に確信が持てるか。

②邪魔がないか。

 

 

の2つだけ。行動に確信が持てている状態は、脳内小人がみんな同じ意見をもっているということなのだ。つまり「行動に確信が持てる=1つの目標に脳の100%の力を注げる=モチベーションを保てる」ということ。また、邪魔がない状態っていうのは、気が散る環境や余計なタスクで脳内小人があっちこっちに向いてしまうことを避けるという意味。取り組む環境・肉体面・脳におけるノイズを取り除くことが、モチベーションの維持に直結する。(脳内小人はあくまでイメージ)

 

 

 

 

ということでこの2つのポイントを押さえるために、自分に問いかけるべき5つの質問があるとおれは結論付けたのだ。(考える順番が分かりやすいように図を作ってみた。)①②③の質問は自分の行動に確信が持ててるかを問う質問。④⑤の質問は邪魔がないかを問う質問。①から⑤の順番に重要度が高くなってるので、矢印の順に自分に問いかけていくと、この本質を押さえることができるようになってる。

 

 

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じゃあ例としてさっきの簿記の話を使って、この図の使い方を説明してみよう。

 

 

(1)「正しい目標か?」

まず出世をしたいという大きい目標がこの図でいう①にあたる。ここで自分に問いかけるべきは、「おれは本当に出世したいのか?」ということ。意外とここに確信が持てないパターンが多いと思う。周りが目指しているからとりあえずそう言っているだけで、もしかしたら本当は「出世はしなくていいから、必要なだけのお金を稼ぎつつ家族との時間を一番大切にしたい」というのが本当の目標かもしれない。そうするとそもそも簿記1級をとる必要がなかったなんて結論になるかもしれない。ということで大きな目標に確信を持つというのが一番重要なステップ。

 

 

 

(2)「正しいステップか?」

大きな目標に確信が持てたら、次に「簿記1級を取得する」という短期目標が出世する上で正しいステップかを確認する。例えば目の前の仕事が回せていなくて、そっちのレベルアップの方が出世する上で重要かもしれない。もし簿記よりも英語力のほうが重要だったら英語の勉強をしたほうがいいかもしれない。大きな目標を達成するうえで、この短期目標が他に優先して必要だと確信するというのが2番目のステップ。この納得感がやる気に直結する。

 

 

 

 

(3)「正しい計画か?」

短期目標にも確信が持てたら、次は適切な計画を立てる段階。計画を立てるにあたっては計画の質と量の調整がめちゃくちゃ大事だと思う。まず質に関していえば「とりあえず簿記のテキストを3周しよう」みたいなアバウトな計画では、自分の行動に確信が持てない。自分は現段階でここが苦手だからこの分野の参考書を読んで、半月後までにこの分野の模擬テストで8割取れるようにしようくらい具体的かつ納得感のある計画を立てるべき。計画の質はやる気に直結する。(おれは計画が1番大事だと思うから2日間くらいは色々下調べして計画の内容を練るのに使ってるよ。)

 

 

さらに計画の内容が決まったら、自分の実力にあった勉強量を調整しないといけない。一日3時間しか勉強時間を取れないのに、5時間分のタスクを自分に課したら計画がどんどん遅延していって自信もどんどん失ってしまう。最初は3時間取れるなら1時間でできるくらいの量を割り当てて、ちょっとずつ勉強量を増やしていくべき。適切な量を設定して自信を養っていくのが計画を立てる上でめっちゃ大切。計画の適切な量配分がやる気に直結する。(この量配分は自分の実力に合わせて調整するべし。おれは何でも初めは30分くらいしか集中がもたないから、最初のハードルをめちゃ低くしてるよ。)

 

 

 

以上3つが自分の行動に確信をもつ段階でした。納得感を持ってやるのがモチベーションを維持するうえで一番大事だと思うから、おれは何かやる気の漏れを感じたらすぐにこの3つの質問に戻るようにしている。

 

 

 

次は集中の邪魔になる要素を排除する段階。ここからは結構テクニック的な要素が強い。

 

 

(4)「環境は整っているか?」

まず環境面について。まず今回の簿記の例でいえば、勉強環境を整えることがとても大切。例えば、自分の家の勉強机の上が散らかっていたり、家族がしょっちゅう声をかけてくるような環境だと、気が散ってしまいモチベーションの低下に繋がってしまう。また必要な参考書が揃っていなかったりすると、その都度集中が途切れてしまう。なので余計なものを片づけたり、図書館で勉強したり、必要な道具を揃えるなどの工夫をして勉強環境を整えるのがやる気維持に直結する。

 

 

 

 

(5)「肉体は万全か?」

最後に肉体面について。これは体調や脳みそのコンディションが、やる気に大きく影響するということ。人体や脳のメカニズムを知っているだけで集中力が格段に上がるのでいくつか大切な技を紹介しよう。

 

 

肉体面の不調の中でやる気漏れの一番の原因になるのが、脳疲労と肉体疲労である。これらを順番に説明する。まず脳疲労には大きく分けて、1「決断疲れ」と2「過活動(ノイズ)」がある。

 

 

1の「決断疲れ」は人間の脳は一日に決断できる量が決まっているというもの。(何かを決断するのはとてもエネルギーを使う。)なのでできるだけ行動を「しくみ化(習慣化)」して決断の量を減らして、脳への負担を減らすのが大切。例えば簿記の勉強を毎朝仕事前の1時間でやるとしたら、まず起きるということを決断なしでできるようにする。最初の頃は勉強までしなくていいから、起きることを習慣化してそれを当たり前にする。次に勉強机に座ることを決断なしでできるようにする。とりあえず起きたら机に座るというのを当たり前の習慣に持ってく。それができたら、次は取り掛かる勉強内容を固定化して、決断なしで勉強を始められるようにする。このように朝の決断をすべて「しくみ化(習慣化)」することで決断疲れによるやる気漏れを防ぐことができる。

 

 

 

 2の「過活動(ノイズ)」は脳みそが色んなことを同時に考えすぎて、キャパオーバーになっている状態である。これはパソコンで同時にアプリを立ち上げすぎて、処理速度がめちゃくちゃ遅くなるのと同じ。これの解決法としては、「マインドフルネス(脳を落ち着ける瞑想)」などでノイズを取り除いたり、考えていることを紙に書きだして「優先順位付けをする」などで対処することができる。(マインドフルネスについてはyoutubeにNHKの特集が載ってるので見てみるといいかも。→https://www.youtube.com/watch?v=czkMCWH_clc

 

 

 

次に肉体疲労には、同じ姿勢で勉強することによる肩の筋肉疲労とかパソコンを見すぎることによる眼球疲労とか、座りすぎによる血流の滞りなどがある。これらを放置しておくと、眠くなったり、体が痛くなったり、頭がぼーっとしたりしてやる気を失う原因につながる。これらの対処は各々がいいと思うようにやればいいと思う。一応俺の場合の対処法を紹介すると、「眠い時→30分仮眠をとる」「体が痛い時→体操or10分くらい横になる」「血流が滞って頭がボーっとする→30分くらいランニングする」て感じで対処法をシステム化している。自分にとってのベストな方法を見つけるべし!

 

 

 

以上より肉体面のどこにやる気漏れの原因があるかを理解して、適切な対処をすることで格段にモチベーションをアップすることができる。自分の体を知ることがやる気維持に直結する。(これは練習あるのみ!まさに技術って感じ)

 

 

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ということで思った以上に長くなっちゃったけど、今回言いたかったのは「やる気はちゃんと分析して正しく対処をすれば誰でも維持できる」ってことでした。

 

 

 

まあもしかしたら俺の場合だけに当てはまることかもしれんけど、何かのヒントにはなるだろうから是非試してほしいぜ!あとテクニック的なことはDAIGOのこの本が意外に参考になったから紹介しとくぜ。

 

 

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ではまた!

 

 

 

おわり。